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Gibsonの情報抽出理論

J. J. Gibsonは、知覚について計算理論のレベルに近いことを考えた心理学者である。Gibsonは、知覚というのは絶えず変化する感覚から環境の情報を抽出することであると考えた。目や耳などの受容器だけでは環境の情報は得られず、システム(身体全部)が能動的に環境から情報を抽出していると考えた。ここでいう情報の抽出とは、観測者が感覚刺激から構造(視覚の場合は包囲光配列, optic array)の不変項(invariants)を検出することである。たとえば、自分の鼻より包囲光配列が遮蔽されると、観測者はある不変項を検出し、環境の一部を特定できる。そして、(不変項の検出はおそらく簡単に行えると考え)観測者が環境に共鳴する(resonating)ことにより不変項を検出していると考えた。しかし、MarrによればGibsonは情報処理の難しさを正しく認識していなかったという。この共鳴という一語で集約されていることに、三次元情報の復元など難しい情報処理がたくさん含まれているのであるが、Gibsonはその問題を省みなかった。

私がGibsonの主張した点で最も重要だと思うのは「知覚は不変項を検出すること」である。自然科学とは単純に言えば、"変化するもの"から"変化しないもの"を区別することである。たとえば、太陽は動かない(不変)という仮説から太陽系が単純に記述できるという地動説が生まれ、光の速度が一定(不変)という制約から、特殊相対性理論が導かれた。このような自然科学者が腐心して行っている不変項の抽出を、すべての観測者が環境に対していとも簡単に行っていると考えた点が面白い。

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テーマ:心・脳・言葉・人工知能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2011.04.26 | | Comments(0) | Trackback(0) | 雑記

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