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マインドー心の哲学 「はじめに」

ジョン・サールの『マインドー心の哲学』について,思ったこと考えたことを少しずつ書いていこうと思います.

『マインドー心の哲学』の構成は,

はじめに
第一章 心の哲学が抱える十二の問題
第二章 唯物論への転回
第三章 唯物論への反論
第四章 意識1ー意識と心身問題
第五章 意識2ー意識の構造と神経生物学
第六章 志向性
第七章 心的因果
第八章 自由意志
第九章 無意識と行動
第十章 知覚
第十一章 自己

となっています.

今日は,「はじめに」で書かれていることについて.

「はじめに」で書かれていることはサールがこの本を書いた動機です.
世の中にはたくさん心の哲学に関する入門書があるがどれも満足のいくようなものではない.なぜか.古びた用語と諸前提を引きずったままで,どれも間違った前提のうえで議論しているからだという.その結果,「よく知られている理論,しかも影響力のある理論が,そもそも全部誤っているという点で,心の哲学は,哲学の中でも類を見ないテーマである」そうだ.なかなか辛辣である.この間違った理論はおもに○○主義というものである.二元主義,唯物主義,計算主義,機能主義,行動主義,などなど.これらがなぜ間違っているかはこの本の前半を使って説明するそうだ.

心の哲学の入門書の多くは大きな問題ばかりを扱っているが,大きな問題ばかりが重要でない,あまりほかの本では取り扱われていないが志向性の問題も重要でしょ,と言っている.志向性とは,心がある物事に注意をむけたり関心をもったりするさまのことである.志向性の問題とは,なぜそのようなことができるのかということだ.
また,意識の構造と神経生物学が取り組んでいる研究の意義を調査し考察することが必要だという.意識の構造とはどのようなことを指すのだろうか.そもそも本当にそんなものが少しでもわかっているのだろうか.第五章でどのようなことが書かれているのか興味深い.神経生物学を顧みることが重要だと考えているのはチャーチランドと同じ.

この本を読むにあたって,次の二つの区別を理解しておいてほしいそうだ.一つは観測者に依存する事象と観測者に依存しない事象の区別.もう一つはオリジナルな志向性と派生的な志向性の区別.オリジナルな志向性は,たとえば私が図書館への行き方についての信念をもつさまのことをいう.派生的な志向性は地図が持っている情報が図書館への行き方を指し示すさまのことをいう.派生的な志向性は,人間に由来しオリジナルな志向性によってもたらされるのである.

「はじめに」だけを読むと二元論も唯物論も機能主義も消去主義も間違っているらしい.ではこれら以外にどんな良い説明があるというのだろうか.サールはそれを提供してくれるのだろうか.たしかにこれまでの意識についての説はどれもどこかしっくりこないものばかりでした.物理的なものと心的なものを分けて考えるということも正しいのかよくわからない.私はこの区別は本質ではないという気がしています.だからといって唯物論や消去主義が的を得ているとも思えません.つねにexplanatory gapがつきまとっています.心はほとんど謎だらけ.だから面白いのです.

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2006.06.08 | | Comments(0) | Trackback(0) | マインド-心の哲学

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